グルテンフリーで変わる心の軽さ 私の体験談
漠然とした不調と、重かった心
グルテンフリーという言葉を知ったのは、数年ほど前でした。当時は特に食生活に気を配っているわけではなく、好きなものを好きなだけ食べる毎日を送っていました。しかし、30代も半ばに差し掛かる頃から、漠然とした体の不調を感じるようになったのです。
具体的には、朝起きても疲れが取れていない、午後は眠くて集中できない、お腹の調子が優れない日が多い、そして、なんだか気持ちがすっきりせず、小さなことでもイライラしたり、塞ぎ込んでしまったりすることが増えました。いわゆる「五月病」のような状態が、季節に関係なく続いているような感覚でした。
病院に行くほどではないけれど、このままではいけない。そんな時に、インターネットで「腸活」や「グルテンフリー」といったキーワードを目にし、「もしかしたら、食事がこの不調の原因かもしれない」と思い始めたのです。特に、グルテンフリーを実践した方の「体調が改善した」「気分が前向きになった」という体験談を読み、興味を持ちました。
しかし、正直なところ、本当に効果があるのか、そして何より、普段パンやパスタ、うどんが大好きな自分が続けられるのか、外食や友人との付き合いはどうなるのか、といった不安の方が大きかったのです。
小さな一歩から始めたグルテンフリー生活
それでも、現状を変えたい一心で、まずはできることから始めてみようと決めました。完全なグルテンフリーを目指すのではなく、まずは朝食のパンを米粉パンに変えてみる、ランチはお蕎麦を選ぶようにする、といった、無理のない範囲でグルテンを控えることから始めたのです。
最初の数週間は、正直な変化はあまり感じられませんでした。相変わらず外食の誘惑もあり、完全に避けることは難しかったからです。しかし、少しずつ家での食事を見直し、グルテンフリーの食品を探したり、米粉を使った簡単なレシピを試したりするうちに、食に対する意識が変わってきました。
「これはグルテンフリーかな?」「原材料は何だろう?」と考える習慣がつき、自然と添加物の少ない食品を選ぶようになったのです。また、週末に少し時間をかけて自炊をする楽しみも増えました。
体の変化、そして「心」の変化
始めて1ヶ月ほど経った頃から、少しずつ体の変化を感じ始めました。まず一番大きかったのは、長年悩んでいたお腹の不調が軽減されてきたことです。以前は食後に胃が重く感じたり、お腹の張りに悩まされたりすることが多かったのですが、それが明らかに減りました。
体の変化はそれだけではありません。朝起きるのが以前より楽になり、日中の眠気も和らいできたのです。体が軽く感じられるようになり、仕事終わりでも何かをする気力が出てくるようになりました。
そして、この身体的な変化と並行して、驚くほど心の状態も変わってきたのです。
体が軽くなったことで、外出することや人と会うことが億劫ではなくなりました。お腹の不快感から解放されたことで、仕事や趣味に集中できるようになり、小さな達成感を積み重ねられるようになりました。
以前は「どうせ疲れるから」「またお腹の調子が悪くなるかも」と考えてしまい、新しいことに挑戦するのをためらうことが多かったのですが、体が軽やかになるにつれて、心のフットワークも軽くなっていったのです。
食事を通して自分自身の体と向き合う時間が増えたことも、心の変化に繋がったのかもしれません。何を食べるかを選ぶことは、「自分を大切にすること」だと感じるようになりました。その結果、自己肯定感が少しずつ高まり、以前のように小さなことで落ち込んだり、イライラしたりすることが減ったのです。
完璧でなくていい、自分にとっての心地よさを見つける
もちろん、今でも外食で完全にグルテンを避けるのが難しい場面はありますし、友人との食事で「今日は楽しむ!」と割り切ることもあります。大切なのは、完璧を目指すことではなく、「自分にとっての心地よさ」を見つけることだと気づきました。
グルテンフリーを始めたきっかけは体の不調でしたが、それを通して得られた心の軽さや前向きな気持ちは、私にとってかけがえのない宝物です。
もし、あなたがグルテンフリーに興味があるけれど、続けられるか不安を感じているとしたら、私のように小さな一歩から始めてみることをお勧めします。そして、もし壁にぶつかったら、「完璧でなくていい」ということを思い出してください。
体と心は密接に繋がっています。食事を通して体が変われば、心もきっと良い方向へ変化していくはずです。私の体験が、あなたの心と体の変化への一歩を踏み出す勇気となれば嬉しいです。